アレルギーと食物 その3
日本生薬学会幹事
中国長春中医学院名誉教授
薬学博士
林 輝明
- T型アレルギーとは -
 アトピー性皮膚炎、じんま疹、アレルギー性の気管支喘息や鼻炎、 花粉症などは同じ原因によって引き起こされ、 T型アレルギーに分類されます。 通常、花粉やチリ、ダニ、バイ菌などの体にない異物(抗原とかアレルゲンと呼ぶ)が 体内に侵入すると普通人であれば、最強のIgEは、 血液100ml中に100単位ぐらいしかマスト細胞から飛び出しません。 ところがアレルギー体質の人は、5倍から100倍、 多い人は1万単位も飛び出すのです。 そして困ったことにちょっとした悪さをするのです。 マスト細胞に「これから戦に行くぞ」という合図の 強い刺激を与えて飛び出すのです。 すると、同じマスト細胞に住んでいたヒスタミンや ブラジキニンといった化学伝達物質も、刺激を受けて血中に飛び出し、 量が増えると不快なアレルギー症状を引き起こすのです。 例えば多量のヒスタミンが気管支に行くと、気管支が収縮し、 内部の粘膜が腫れ、粘液の分泌が激しくなって呼吸が困難となり咳き込み、 気管支喘息が起きるのです。 鼻の粘膜に行けば、同じ症状が起きてアレルギー性鼻炎となり、 目の粘膜に行けば、腫れっぽく涙が止まらずアレルギー性結膜炎となります。 これが花粉症です。 そして皮膚の真皮まで行くと、刺激を受けてじんま疹が発生します。 そして、その上の表皮まで行くと強い痒みが起きます。
 心臓や胃が痒いということがないのは、 痒みを伝える掻痒点が内蔵にはないからです。 この掻痒点は皮膚の真皮と表皮との境界面に広く存在し、 ヒスタミン等の化学伝達物質が、 これを刺激して生じるのがアトピー性皮膚炎なのです。 また表皮の厚みはわずか1mm足らずなので、 水分を15%以上を含まなければ、 外からの刺激を掻痒点が受けて痒みを生じ易くなります。 アトピー肌の人の大半は、水分の不足した乾燥肌の方でもあるのです。


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