キノコと木の実の効用 その2
日本生薬学会幹事
中国長春中医学院名誉教授
薬学博士
林 輝明
-ホンシメジ、ナメコ、マイタケ、エノキタケ-

 香り松茸、味しめじといわれるほど味の良いホンシメジは、温暖地帯のアカマツとコナラの混生林などに発生する美味キノコの代表選手です。 これも人工栽培ができず松茸と同様貴重品になりつつあります。最近シメジの名で市場に出回っているのは、ほとんどが人工栽培されたシメジ科のヒラタケです。 これは柔らかで歯切れが良く、牡蠣に似た食味から外国では、オイスター・マッシュルームと呼ばれています。

 ナメコは東北や北海道で主としてブナの樹林や切り株に群生するモエギタケ科のキノコです。 旨味も香りも少ないのですが、独特のぬめりによる舌ざわりが好まれ、ナメコおろしや、雑炊などに用いられます。

 マイタケは東北や北海道で採れる味と香りが一級品のキノコで、発見すると舞い上がるほど喜ばれるので舞茸の名がついたといわれます。 ミズナラや椎などの広葉樹に発生するタコウキン科のキノコで、歯ごたえも良く、炊き込みご飯や鍋物、秋田名物きりたんぽなどにも入れられます。 最近人口栽培にも成功しました。含まれる多糖類グルカンが癌の拡がりを抑える制癌作用のあることが神戸薬科大学の難波教授によって見出され、中国では抗癌剤として注目されています。 その他のキノコで抗癌作用を持つものは、サルノコシカケやその仲間の霊芝、南米のマッシュルームのアガリスク茸などがあり、同様のグルカン系の多糖類を含み、体の癌に対する免疫力を高め、癌の予防、改善に役立っています。

 エノキタケは別名をナメタケとも呼ばれ、落葉広葉樹の朽木に発生する晩秋から早春にかけて出る珍しい冬のキノコで、キシメジ科に属します。 味と歯切れ感も良く、だしも良く出るので、鍋物や汁物、和え物に用途が拡がっています。

 そしてこれらの食用キノコは、日光に当たるとビタミンD2に変わるエルゴステロールを含んでカルシウムの吸収を助けるとともに、血中の過剰のコレステロールを除いて血行を良くするという共通の効用をもっています。 晩秋から冬にかけ、キノコの味覚を楽しみながら、その効用で体調をととのえていただきたいものです。

 
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