おでんの効用 その3
日本生薬学会幹事
中国長春中医学院名誉教授
薬学博士
林 輝明
-  牛蒡(ごぼう)、こんにゃく -
 ごぼう天の中に入る牛蒡は、東洋でも西洋でも利尿剤として用いられ、「むくみとり」 の妙薬とされています。また、化膿した腫れ物や切り傷の膿(うみ)を除く効用をもち、便秘の改善にも役立ちます。
こんにゃくもグルコマンナンという水分を大量に取込む食物繊維を含んで一級の便秘薬になります。しかも保温性に富んで体を温め、カロリーの非常に少ないダイエット食でもあるのです。
 
-  大根、馬鈴薯(じゃがいも) -

 大根は中央アジアが原産地で、6000年前のエジプトのピラミッドの建設の労働者が食べたといわれるほど古くから食用にされた野菜なのです。東洋医学では「莱ふく(らいふく)」と呼ばれ、胃の消化液の分泌を促す辛味成分のアリル化合物や消化酵素のアミラーゼ、ジアスターゼなどを含み、衰弱した胃腸を回復してくれます。また、体を温めるとともに殺菌力が強く、食中毒を防いでくれます。大根で当ることが無いので、当らない役者を大根役者と呼ぶのだとの節があるほどです。

 ジャガイモの名は、約400年前の慶長3年にジャワの旧名ジャガタラから、オランダ人によって、初めて長崎にもたらされたことから、この名前がつけられたといわれます。しかしインドネシアが原産地ではなく、南米チリーの原産です。チリーでは野生品をパパと呼び、インカ帝国の重要な主食品だったのです。そして1559年に征服したスペインの兵士たちが、欧州に伝え、その後広く世界中で栽培されるようになったのです。澱粉を16.8%も含む高カロリー源食物で、飴やアルコールの製造原料として用いられ、また薬用として、その澱粉を火傷、刺激緩和、散布剤粉、錠剤の賦形剤などに利用されます。

 
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