おでんの効用 その5
日本生薬学会幹事
中国長春中医学院名誉教授
薬学博士
林 輝明
- ホタテ貝、竹輪、かまぼこ -
 ホタテ貝には解毒作用と神経を鎮めてストレスを解消してくれる働きがあるので、上役に叱られた後のお酒の一杯はホタテ貝を肴にされると良いでしょう。
 竹輪やかまぼこは蛋白質をそれぞれ16%、12%と含み、酒からの肝臓の保護に役立ちます。しかし、意外に塩分を多量に含む高塩食なので、高血圧の方は食べ過ぎない注意が必要です。
 
-  銀杏(ぎんなん)の実 -
 銀杏の実は澱粉を多量に含むスタミナ食で、頻尿や寝小便を改善し、咳止めの効用があります。大人は毎日10粒、子供は5粒を2週間程、食べ続けると排尿回数を減じることが出来ます。咳止めには煎って殻を除き、湯通しした銀杏の実に蜂蜜をかけて出来るだけ喉に当るようにゆっくり噛んで服用します。
 
-  辛子 -
 おでんの薬味に使う辛子は、アブラナの仲間のカラシナの種子から作られますが、その成分のシニグリンを水で練ると分解して、あの辛味成分(イソ硫化シアンアリル)に変えるのです。この辛味は胃液の分泌を促進して食欲を増進させるだけではなく、強い防腐殺 菌力をもち、食中毒を防ぐ役目を果たしています。
 薬味にまで細かい配慮をめぐらした先祖の知恵に頭の下がる思いがします。一国の文化の基礎は食文化にあるという言葉の重みをひしと感じる次第です。


 
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