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肝臓は内臓中の最大の臓器で、男性が約1.5kg、女性が約1.3kgの重さをもちます。そして、人間が生きていく為の重要な働きをいろいろと営んでくれています。まず口から取り入れた動植物の栄養素を利用して、生存に欠かせない必要な物質や栄養に作り替える大化学工場であり、貯蔵所であるのです。体を守る免疫力の本体のガンマーグロブリンや、血液を凝固させて止血作用をもたらすフイブリノーゲンやプロトロンビンといった止血因子や遺伝子や細胞を作る材料のリポ蛋白や燐脂質、ホルモン原料のコレステロール類など数多くの生命保全の基本物質を作り出しています。また血液の貯蔵所として、体を循環する血液量のコントロールをしてくれています。そして外部から入ってきた毒素や、新陳代謝によって生じた体の障害物質などを無毒化し排出する解毒工場でもあるのです。また胆汁を作って、十二指腸に分泌し、脂肪などを消化するのにも大きな役割をはたしています。生命の要であるので、肝臓のレバーという言葉は、ラテン語の生命(ライブ)から転じたといわれています。しかし、これだけ大切な臓器でありながら「沈黙の臓器」といわれるように、悪くなっても痛みを訴えることなく、黙々と働く臓器なのです。それだけに、症状が出たときは、病気が進行しているケースが多く、そこが肝臓病のこわいところです。
肝臓病でいちばん多いのは肝炎で、急性と慢性に分かれます。急性肝炎の大半は、A型、B型、C型、E型などのウイルスによって起こります。A型肝炎は経口感染で、汚染された野菜や魚介類を食べて、集団感染するのが特徴です。B型は血液とセックスによって感染し、妊娠中の母親から胎児にうつることもあります。C型、E型は血液感染することが多いのですが、原因不明のものも少なくありません。
急性肝炎の初期症状は、風邪や急性胃腸炎の病状によく似ています。全身の疲労感、食欲不振、悪心、吐き気、発熱、腹痛、下痢や便秘などです。また肝炎が起きて肝臓が破壊されるとGOT、GPTといった肝臓に含まれる酵素が血液中に放出されます。血液中の正常値はGOTが40単位以下、GPTが35単位以下ですが、肝炎になるとこれが急激に上昇し、200単位を越えると要入院になります。しかし急性の場合、早期治療をすれば、90%以上の人が1ヶ月くらいで治ります。
こうしたウイルス性肝炎以外にアルコールや薬物が原因となって発病する急性肝炎もあります。また動物性脂肪やアルコールのとり過ぎで、肝臓に中性脂肪やコレステロールが貯まり、それがひどくなると脂肪肝になります。
急性肝炎が長期間続くと、慢性肝炎となります。慢性肝炎は急性ほど際だった症状はありませんが、だるい、食欲がない、お腹が張るなどの症状が現れたら要注意です。症状のないまま進行することも珍しくなく、肝機能の定期的なチェックが必要です。
肝臓は再生力の非常に旺盛な臓器で、7割を切除しても元通りに再生できるほど丈夫です。しかし慢性肝炎となって破壊、再生を長期間繰り返していると、肝細胞は線維化し、硬くなっていきます。こうなると、もとの正常な細胞に戻ることはできず肝機能はどんどん低下していきます。これが肝硬変で、肝臓がガンを誘発する下地になります。慢性肝炎が肝硬変に移行する割合は10%、肝硬変から肝ガンが発生する割合は25%〜50%と高率です。
肝臓病の一般的治療の中心は、食事療法と安静です。食事の基本は高カロリー、高蛋白質、低脂肪食です。栄養のあるものを食べ、ゆっくりと静養し、体の持つ自然治癒力を高めながら、肝臓そのものの回復をはかるよう努めます。
特に、肝細胞を元気にする良質の蛋白質を十分補給し、アルコールは絶対避けます。また、薬を解毒してしまう肝臓の治癒なので、薬物療法はあまり期待できません。
良質蛋白の補給には、消化吸収の良い、高野豆腐、ユバ、納豆などの大豆加工食品やレバー類、チーズ、牛乳、脂肪分の少ない鳥、魚、肉類、卵などがおすすめです。特に高野豆腐は、豆腐の10倍もの栄養素を含み、蛋白質を50%も含んでいます。
牡蛎も肝臓を強化するのに非常に良い食品です。良質蛋白質以外に、瞬発力や活力の源になるグリコーゲンを多量に含んでおり、メチオニンやタウリンといった肝臓を強化し、肝細胞の再生に役立つアミノ酸も豊富です。これからの季節、酒の肴にぜひ食べて欲しい食物です。飲酒の翌日にはシジミ汁といわれるほど、シジミにも、これらの強肝アミノ酸が含まれています。また藻の仲間のクロレラやスピルリナにも、19種類のアミノ酸を含む良質蛋白質が50%以上も含まれ、蛋白質のよい供給源です。
アルコールはアルコール分解酵素によって、アセトアルデヒドに変わり、酢酸になって、さらに水と炭酸ガスに分解されます。飲み過ぎて、アセトアルデヒドが体内に残ると二日酔いの原因となり、肝臓を傷つけます。ゴマやゴマ油に含まれるセサミノールやリノレン酸は、このアルデヒドの分解を促進し、活性酸素による肝臓の炎症も抑えてくれます。朝鮮人参も、アルコール分解酵素の働きを活発にして、肝臓を保護してくれます。
肝炎の症状の一つに、黄疸があります。黄疸は、肝臓で作られた黄色の胆汁がスムーズに十二指腸に流れず、血管からにじみ出て起こります。この胆汁の流れを良くして黄疸を改善してくれるのが、シジミやウコンです。ウコンの中のクルクミンという成分が、胆汁の分泌を促進して肝臓を強化してくれるのです。
ウイルスを直接殺す薬はまだ発見されておらず、これの出来るのは体のもつ免疫力だけです。従ってウイルス性肝炎の治療には、体力を付ける為の高蛋白食と安静以外に、免疫力、特に血液中のリンパ球中の直接ウイルスの殺菌に作用するナチュラルキラー細胞の活性を高めることが必要です。朝鮮人参の仲間の田三七人参は、これの出来る数少ない食品の一つです。加えて田三七は血液の流れを非常に良くする働きもあり、全身の免疫力強化にも適しています。
また肝機能の再生には、ビタミンB1、B2、C、Eといったビタミン類も欠かせない栄養素です。これらの補給に、緑黄野菜もしっかりお召し上がりください。
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