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大粒のルビーを思わせる路地物のイチゴが出回っています。
やはり旬のものは、自然が生きている感じで一味違います。
イチゴはバラ科の植物で、小さな果を結ぶヨーロッパ系と、大果のアメリカ系の2種 に 分かれ、わが国には、江戸末期にオランダ人によってもたらされました。
ビタミン類の宝庫で、ビタミンCなどはミカンの2倍以上も含まれています。
疲れを除いてくれるクエン酸、リンゴ酸などの有機酸も豊富で、漢方では、その未熟果実を覆盆子(ふくぼんし)と呼び、眼精疲労をとり、肌つやをよくし、気力の衰えを回復する強壮剤として用いているほどです。
欧州では、婦人病、ことにおりものを改善する果実として賞用されています。

旬の果物といえば、サクランボウもそうです。
東洋では桜桃(おうとう)と呼ばれ、わが国で栽培がはじめられたのは、明治に入ってからで、福島、山形、秋田の各県と北海道などが産地です。
中国では、すでに唐の時代の薬物書に、元気をつけ、顔色を良くする強壮剤として、美人を作る効用をもつと記されています。
これは桜桃がビタミンA、B1、Cなどのビタミン類や、ミネラル分、蔗糖や転化糖などの甘味成分、疲労回復作用をもつクエン酸、酒石酸などを豊富に含むためです。
さらにカリウムを多く含み、利尿を促進して体のむくみをとってくれます。
欧州では、便秘のときの通便の果物として女性に愛好されています。

桜桃の実るのは、ミザクラやセイヨウミザクラの種類で、ソメイヨシノやヤマザクラのような一般のサクラの樹にはなりません。
しかし、これらのサクラにも薬効があります。
まず、花は塩漬けにして茶の代用になり、二日酔いの回復に効力を発揮しますし、葉は桜餅を包んで、独特な匂いと防腐効果をあげます。
これはクマリンという成分のもたらす作用です。
また、樹の皮を乾かしたものを桜皮(おうひ)と呼び、これを3〜5グラム煎じて、下痢止めに用います。
ペニシリンなどのなかった江戸時代、食中毒などの特効薬として、下町の庶民に広く使われたものです。
古くなった初鰹をつかまされ下痢をして「明日来たらぶてと桜の皮をなめ」と魚屋を怨む古川柳が残っているほどです。
今でもこのエキスをブロチンと呼んで、咳止めや痰切りのシロップ剤に配合しています。
これらの効用は桜皮に、サクラニンとかタンニンといった殺菌・消炎作用をもつ多くの有効成分が含まれているからです。 |
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