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よもぎ餅、草団子の特有の味と香りは、文字通り春の味覚といえましょう。
これはヨモギのもつタンニンと精油成分のもたらすもので餅菓子の腐りも防いでくれています。
この時季、出回る柏餅を包む柏の葉にも防腐成分が含まれています。端午の節句に柏餅が食べられるのは、柏は新芽が出ないと古い葉が落葉しない特性を持ち、男の家系が絶えないようにとの縁起をかついでのことです。

ヨモギは、菊科の多年草で陰干しにした葉を漢方では「艾葉(がいよう)」と呼び、鼻血、子宮出血、痔などの止血や腹痛、下痢などに5〜8グラムを煎じて用います。
50グラムほどを袋に入れヨモギ風呂にすると、腰痛、打身、婦人のこしけなどに効果があります。
葉の裏の柔らかい白い毛をかきとり、乾燥したものが、お灸に使うモグサです。
お灸は体の細胞組織に活力を与え、老化を改善し、全身的な機能を活性化させてくれます。
さらにヨモギには、かゆみを止める作用があり、アトピー性皮膚炎や老人性皮膚掻痒(そうよう)症のかゆみに対して、艾葉25グラムを1リットルの水で半分くらいになるまで煎じ少しハッカを加えて、その煎汁で患部を拭いてやると、著しくかゆみを軽減することができます。

タケノコやホウレン草も旬の食物です。
タケノコは竹の地下茎のふくらんだ新芽をいいますが、主としてハチク、マダケ、モウソウチクのものが食用とされています。
掘り起こしたタケノコは、できるだけ早く食べよといわれますが、これは、含まれるえぐ味成分のホモゲンチジン酸が、土から出て24時間たつと2〜3倍に増加するからです。
昔からこのえぐ味は、タケノコをゆがくとき、米ヌカを少し加えると抜けるといわれます。
これは米ヌカに含まれるカルシウムが、ホモゲンチジン酸と結合して、えぐ味成分を消してくれるからです。
タケノコはすばらしい便秘薬であるとともに、のぼせ、眼精疲労、痰、むくみ、酒毒を除くのにも役立ちます。
また、小児のハシカのとき、発疹の出をよくして回復を促進してくれます。

ホウレン草は、アカザ科の植物で、中国では菠薐草(はりょうそう)といいます。
菠薐というのは、ペルシャ(イラン)のことで、ここが原産地なのです。
唐の時代に中国に入り、日本へは江戸時代初期に渡来しました。
日本では、葉に丸みがあって色の濃い西洋種 と、縁に切れこみのある日本種が栽培されています。
体に抵抗力をつけ、眼によいカロチンが100グラム中3000ミリグラムと多量に含まれること、貧血によい鉄分、葉酸を多く含んでいるのが特長で、昔から補血強壮の食物として利用されてきました。
ビタミン Aも多く、ビタミンCはミカンの2倍も含まれています。
さらに、胃液、唾液の分泌を促進する物質も見出されており、胃腸の働きを高める作用もあります。
その他、神経の興奮、のぼせを鎮め、便秘の改善を助け、アルコール中毒の予防にもよい食物です。 |
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